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【裁判】絵画の縮小カラーコピーは著作権違反か

著作権判例

【裁判】絵画の縮小カラーコピーは著作権違反か

<2011年1月5日>
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知財高裁 平成22年(ネ)第10052号
判決:平成22年10月13日




原告(被控訴人):女流洋画家 三岸節子さんの遺族


被告(控訴人):美術展の開催及び美術品の鑑定等を業とする株式会社




【事件内容】


原告が著作権を有する絵画を、被告が当該絵画の所有者の依頼に基づき鑑定し、作成した鑑定証書に当該絵画を縮小カラーコピーして貼付することが著作権違反になるかどうかについて争われた事件


1審(東京地裁)では被告の著作権侵害であると認定されたが、その取り消しを求めて被告が控訴した。



【経緯】



時年月 内容
平成4年4月15日 三岸節子さんは、一部の不動産を除き、原告に対し、財産を相続させることに関する公正証書遺言を作成した。
平成11年4月18日 三岸節子さん 急性循環不全のため、94歳で死去
平成17年4月25日ころ及び平成20年6月25日ころ 被告が、三岸節子さんが創作し原告がその著作権を相続した絵画を、当該絵画の所有者(美術商)からの依頼に基づき鑑定し、鑑定証書を作成した。 その際、鑑定証書に鑑定絵画を縮小カラーコピーしたものを貼付した。
平成17年11月28日 原告が被告宛に、三岸節子さんの創作した絵画を鑑定し鑑定書を発行する行為は法的に問題のある行為であるとする書面を通知
平成20年11月15日 原告が著作権侵害訴訟を東京地方裁判所に提起




絵画の縮小カラーコピーは、絵画を写真撮影・現像した上で、プリントされた写真をカラーコピーして作製されたものである。


また、被告は、鑑定対象の絵画を特定するため、及びこれに加えて鑑定証書の偽造防止のために、鑑定証書の裏面に鑑定対象の絵画の縮小カラーコピーを添付していた。



【主な争点】

  • 1. 絵画の縮小カラーコピーが複製権を侵害するかどうか。
  • 2. 絵画の縮小カラーコピーが引用に該当するかどうか。



【判決】


1.絵画の縮小カラーコピーが複製権を侵害するかどうか


著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいい ~(中略)~ 被告のカラーコピーは、本件絵画に依拠して作製されたものである。


また、被告のカラーコピーは、本件各絵画と同一性の確認ができるものであり、本件各コピーの前記認定の作製方法及び形式からして、本件各絵画の内容及び形式を覚知させるに足りるものであるから、このような本件各絵画の再製は、本件各絵画の著作権法上の「複製」に該当することが明らかである。


よって、被告が行った絵画の縮小カラーコピーは、絵画の複製権を侵害する行為であると認定。




2.絵画の縮小カラーコピーが引用に該当するかどうか。



他人の著作物を引用して利用することが許されるためには、引用して利用する方法や態様が公正な慣行に合致したものであり、かつ、引用の目的との関係で正当な範囲内、すなわち、社会通念に照らして合理的な範囲内のものであることが必要である


被告(控訴人)が作製した本件各鑑定証書に本件各コピーを添付したのは、その鑑定対象である絵画を特定し、かつ、当該鑑定証書の偽造を防ぐためであるところ、そのためには、一般的にみても、鑑定対象である絵画のカラーコピーを添付することが確実であって、添付の必要性・有用性も認められることに加え、著作物の鑑定業務が適正に行われることは、贋作の存在を排除し、著作物の価値を高め、著作権者等の権利の保護を図ることにもつながるものであることなどを併せ考慮すると、著作物の鑑定のために当該著作物の複製を利用することは、著作権法の規定する引用の目的に含まれるといわなければならない。



本件各コピーは、いずれもホログラムシールを貼付した表面の鑑定証書の裏面に添付され、表裏一体のものとしてパウチラミネート加工されており、本件各コピー部分のみが分離して利用に供されることは考え難いこと、本件各鑑定証書は、本件各絵画の所有者の直接又は間接の依頼に基づき1部ずつ作製されたものであり、本件絵画と所在を共にすることが想定されており、本件各絵画と別に流通することも考え難いことに照らすと、本件各鑑定証書の作製に際して、本件各絵画を複製した本件各コピーを添付することは、その方法ないし態様としてみても、社会通念上、合理的な範囲内にとどまるものということができる。




よって、被告(控訴人)が行った絵画の縮小カラーコピーは、著作権法32条1項に規定する引用に該当すると認定。





【結論】


被告(控訴人)が本件各鑑定証書を作製するに際してこれに添付するため本件各コピーを作製したことは、これが本件各絵画の複製に当たるとしても、著作権法32条1項の規定する引用として許されるものであったといわなければならない。


よって、被告(控訴人)の著作権侵害を認定した原判決を取り消す。




【考察】



絵画の縮小カラーコピーは著作権違反かの考察








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