クライアントサーバシステム契約
自社で開発したクライアントサーバモデルの各種システム、ソフトウェア、アプリケーション等(以下、「システム等」という)を提供・販売・使用許諾等する際に交わされる契約書が「クライアントサーバシステム提供契約書」です。
【契約当事者】
・システム等を提供する側と、提供を受ける側との契約
クライアントサーバシステム提供契約の趣旨・内容及びポイント等は以下のとおりです。
【趣旨】
- クライアントサーバ型のシステム等を提供する(パッケージ販売、使用許諾等、提供形態は様々)。
- クライアントサーバ型のシステム等の提供を受けた側は、提供対価を支払うことで、システム等を使用することができる。
【提供に附帯する業務】
- システム等の提供側が、システム等を提供するにあたり行うべきカスタマイズ対応、システム導入支援対応、導入後の保守サポート等の附帯業務を契約書において明確にする。
【システム等の導入】
- クライアントサーバ型のシステム等を導入する上で、システム等の提供者に対して開示するべき情報及び資料等がある場合は、それを契約書に明記する。
- システム等の導入にあたり行うべきサーバ設定、クライアント端末へのプログラム等インストール、既存データ移行作業等の役割分担を明確にする。
【納入物件】
- システム等の提供にあたり、提供者が納入するべき物件(ユーザーマニュアル、仕様書、マスタ定義書等)を契約書に明記する。
【著作権等】
- クライアントサーバ型システムに関する各種著作権及び知的財産権は、引き続き提供者側に権利が留保されることを明確にし、許諾を受ける者に何らの著作権及び知的財産権が帰属しないことも併せて明確にする。
【使用制限】
- 提供するシステム等の使用端末数及び同時アクセス数の制限、その他VPN等を利用して社外LANから使用することの制限等、提供するシステム等を使用する上で何らかの制限がある場合はそれを契約書に明記する。
【対価】
- システム等の提供対価及び附帯業務の対価をそれぞれ対応内容ごとに分けて記載し、それぞれいつまでに支払うべきなのかを明確にする。
【重要なポイントのまとめ】
1.提供するクライアントサーバシステムを契約書上できちんと明確にし、ドキュメント類等の附属物の提供についても可能な範囲で契約書に明確にすることが望ましい。
2.クライアントサーバシステムを提供するにあたってのカスタマイズ作業、導入作業、設定作業、導入後の保守等について契約書上で明確にすることは最も重要と言えます。通常はこれらの作業が何かしら発生することがありますので、発生する作業が何なのか、そしてその作業の内容と作業に対する対価、契約範囲外の作業等を契約書で明確にすることがとても重要です。
3.提供される側によるクライアントサーバシステムの利用に関する禁止事項も契約書で明確にすることが望ましいです。
4.あとは、クライアントサーバシステムの提供に伴う対価の金額や支払日といったものをちゃんと記載することは当然ながら重要です。
上記が、クライアントサーバシステム提供契約書の作成に関するポイントの一部例となります。
カスタマイズ内容は、別紙に記載するという場合もあります。
株式会社 (以下、「甲」といいます。)と株式会社 (以下、「乙」といいます。)は、第1条において定義するシステム(以下、「本システム」といいます。)を、甲が乙に対し提供することに関して、次のとおり契約(以下、「本契約」といいます。)を締結します。 第1条(システム等の特定) 1)本契約に基づき甲が乙に対し提供する本システムとは、次のとおりとします。 ①名称:○○○○管理システム ②制作者:甲 ③動作環境:Windows(32ビット、64ビット) 2)本契約に基づき、甲が乙に対し納入する物件は次のとおりとします。 ①本システムパッケージ一式 ②本システムの操作ガイド ③本システムの仕様書(カスタマイズ仕様も記載されていること) ④本システムのマスタ定義書 第2条(附帯業務) 1)甲は、本システムの提供に伴い附帯する業務として次の各号の業務を遂行することを約します。 ①本システムのカスタマイズ ②本システムの導入支援 ③本システム導入後の保守サポート ④その他、上記各号に附帯関連する業務 2)甲は、附帯業務の遂行に関して必要な事項について乙に協議を求めることができるものとし、乙は正当な理由なくこれを拒否してはならないものとします。 3)乙は、甲が附帯業務を遂行する上で、前項の協議に応じる等必要な協力を行うものとします。 第3条(本システムのカスタマイズ) 以下、続く・・・・ |
【収入印紙】
クライアントサーバ型のシステム等を提供・販売・使用許諾するだけであれば、原則として契約書に印紙を貼付する必要はございません。
しかし、提供者側が行う附帯業務に、カスタマイズや保守等の請負に該当する業務が契約内容に含まれている場合、その部分につき請負契約に該当する可能性が高くなりますので(印紙税法条の2号業務)、請負に該当する業務に関する対価の額に応じた収入印紙が必要となる場合があります。
【クライアントサーバシステム提供契約書の作成代行】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書の作成 | 50,000円(税別) | 3営業日 | 契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【クライアントサーバシステム提供契約書のチェック・修正】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書等チェック 修正対応 |
1ページにつきおよそ5,000円(税別) | 2営業日程度 |
リーガルチェック対応後の契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【クライアントサーバシステム提供契約書の雛形提供】
料金 | 納期目安 | |
契約書等雛型提供 | 8,000円(税別). | 翌営業日 |
※雛形提供をご希望の方は、お問い合わせフォームを通じて、お問い合わせ内容にご希望の契約書雛形名をご記載の上で当事務所までご連絡願います。
※カスタマイズをご要望される場合は、作業分量に応じて別途費用が掛かります。
※お客様より特にご指定がない場合はWordファイルで提供致します。
(PDF、テキスト、書面等による提供はご要望に応じて対応致します)
<補足>
クライアントサーバシステム提供契約の事案や難易度により料金が増減したり納期にお時間を頂く場合がございます。そのため、ご依頼頂く前に、お客様からヒヤリング等を行った上で御見積書をご提示致します。
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システム名等の商標登録もお考えの場合はこちら
クライアントサーバシステム提供契約について、質問等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、長年SEとしてシステム開発等に携わった経験及び知識等を活かして主にIT系やコンテンツ系のクライアント様、クリエイター様等から多数の契約書、利用規約等の作成やリーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
【全国対応】
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・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
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・2024年9月27日 All About『無料・フリー画像の落とし穴!?自治体や学校でイラストの無断使用による損害賠償が増えている理由』執筆
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。