このページは、VTuber・YouTuber等の動画投稿者・配信者がプロダクションに所属する場合に締結する契約書についてのページとなります。
YouTuberとは、YouTuberに動画を投稿し、配信等することで収益を得ている方々をいい、YouTuber動画の盛り上がりに伴い年々、こうしたYouTuber配信で収益を得ているYouTuberは増加しております。また、YouTuberのみで生活費を稼ぐ専業者や、ヒカキンさんに代表されるような莫大な収益を得ているYouTuberも多数出ており、今後の展開が非常に興味深い分野でもあります。
VTuberとは、VirtualYouTuberの略称であり、2DCGや3DCGで描かれたキャラクター(アバター)を用いてYouTuber等の動画投稿サイトやx(旧twitter)等のSNS等で活動する動画等のコンテンツを投稿・配信する方々をいいます。
VTuberやYouTuber業界が盛り上がるにつれて、VTuber・YouTuber専用のプロダクションというものも増加しつつあり、そうしたプロダクションにVTuberやYouTuberが所属するにあたっては所属するための契約を取り交わします。この際の所属契約は、従来の芸能タレントとプロダクションが締結している専属契約書等がベースとなっていることが多いですが、それらの専属契約書等は、そのままではVTuberやYouTuberに合わない契約内容であることも多く、それ故に、VTuberやYouTuberの活動内容に応じて実態にちゃんと合った契約書にする必要があります。
【契約当事者】
VTuber・YouTuberとして活動をする動画投稿者・配信者と、プロダクションとの間で契約を締結します。
VTuber・YouTuber所属契約書の内容(ポイント等)を以下に記載します。
【趣旨】
- VTuberやYouTuberとして動画等のコンテンツを投稿・配信することについてプロダクションに所属し、プロダクションは所属するVTuberやYouTuberの活動がより広がるようマネジメントを行う。そのうえで、VTuber・YouTuberの活動によって生じた収益をVTuber・YouTuberとプロダクションとの間で分け合う。。
【所属内容に関する事項】
- まずVTuberやYouTuberが専属的にプロダクションに所属するのかどうかというこを契約書で明確にする。専属的に所属するとは、VTuberやYouTuberとしての活動をそのプロダクションを通じてのみ行うということになります。ただし、媒体によって専属であったりそうでなかったりといった取り決めをする場合もあります。例えば、YouTuberでの動画投稿・配信は専属であるが、それ以外の動画サイトへの動画投稿・配信はVTuberやYouTuberがが自由に行うことができるというような場合です。
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近年は、動画サイトや動画アプリが色々と増えておりますので、全ての動画サイト・アプリについて専属とするのではなく、ある一部の動画サイト・アプリでの活動については専属とするがそれ以外については自由に活動できるといったような形とすることも見受けられます。
- 全体的に、芸能タレントがプロダクションに所属する場合よりも、VTuber・YouTuber側への縛りが緩めであることが多く見受けられますし、その方が実態に合っているように思えるところでもあります。
- 動画投稿・配信以外の活動・・・例えばテレビ出演やその他のメディア出演といった分野においてもプロダクションがマネジメントする範囲であるのかどうかも契約書で明確に定めておくことが望ましいです。
【活動ルールに関する事項】
- VTuberやYouTuberが活動する上でのルール等があればそれを契約書に明記する。
- VTuberやYouTuberが動画を作成した際に生じる著作権その他VTuberやYouTuberの活動によって生じた著作権・著作隣接権(歌うことで生じた著作隣接権を含む)がVTuber・YouTuberとプロダクションのどちらに帰属するのかを契約書で定める。
- また、VTuberの場合は、そのキャラクターについての著作権その他の知的財産権についての取り扱いも契約書において明確にすることが望ましい。
- VTuberやYouTuberが活動する上での機材環境について、プロダクションが用意するのであればその旨を契約書に明記するとともに、そうした機材の取扱いについても契約書に明記する。
【報酬に関する事項】
- VTuberやYouTuberが活動することで生じた収益をプロダクションとどのように分け合うかを定める。また、プロダクションと収益を分け合う活動とそうでない活動がある場合は、それらを明確にすることをきちんと契約書で明確にすることが望ましい。
- VTuberやYouTuberが活動することで生じる費用について、どこまでプロダクションが負担するのかといった範囲を明確に定める。
【契約期間等に関する事項】
- 所属契約期間や、契約が終了した場合の取り決めについてきちんと契約書に定める。VTuberである場合は、契約終了後もVTuberとして活動していたことを公にしてはいけないといった機密保持義務をちゃんと課すことが望ましい。
上記が、VTuber・YouTuber所属契約書に関するポイントとなります。
○○○○○(以下「甲」といいます)と株式会社〇〇〇〇(以下「乙」といいます)は、甲が乙に所属してVTuberとして活動(以下「本活動」といいます)をすること、及び本活動を乙が専属的にマネジメントすることに関して、以下のとおり契約(以下「本契約」といいます)を締結します 第1条(定義) 本契約上の「本活動」とは、国内外を問わず次に定めるとおりとします。但し、これらは例示的なものであり、本活動には甲のVTuberとしての一切の活動、並びにその他の表現及び創作に関する全ての活動を含めるものとします。 ①コンテンツ配信:動画配信サイト(YouTube及びSHOWROOM等を含むものとし、以下同様)及びSNS(twitter、TikTok及びインスタグラムを含むものとし、以下同様)、並びにその他のインターネット媒体及び動画配信媒体(スマートフォンアプリケーションを含む)を通じてのコンテンツ、メッセージ及び映像等の配信、投稿及び掲載等 ②メディア出演:地上波テレビ放送、ケーブルテレビ放送、ラジオ放送、有線放送等のあらゆる公衆放送媒体への出演等及びネットワーク配信、ウェブサイト等のあらゆるインターネット媒体への出演等並びに各種ゲーム、ソフトウェア、スマートフォンアプリケーション、新聞、雑誌、映画への出演等その他現存し、又は将来開発される全ての視聴覚媒体への出演等 ③収録:レコード、CD、DVD等のあらゆる記録媒体への収録のための歌唱及び演奏等の実演。 ④著作:執筆、作詞、作曲、写真撮影、映画等の創作、編集、翻訳、翻案、二次的著作物の創作及びその他著作権法上の権利が発生する一切の活動。 ⑤広告:広告、宣伝、プロモーションへの出演及びイメージモデル出演等。 2) 前項各号以外の用語の解釈については、著作権法の規定及びその他業界の慣習等に従います。 第2条(所属) 1) 甲は、本契約の有効期間中、VTuberとして活動するためのプロダクションとして乙に専属的に所属します。 2) 甲は、別途甲乙間で異なる合意をした場合を除き、バーチャルキャラクター「〇〇〇〇」(以下「本キャラクター」といいます)として本活動を行うものとします。 第3条(マネジメント) 1)本契約有効期間中における次のマネジメント業務は、乙が専属的に行うものとします。 ①甲の本活動の獲得等の営業活動 ②甲の本活動に関するクライアント等との交渉及び契約の締結。 ③甲の本活動に基づき発生する報酬及び使用料等の交渉、請求、受領等。 ④甲の本活動により発生した著作物、商品、制作物等の管理、利用及びその収益の管理。 ⑤その他の上記業務に付帯関連する一切の業務。 2)前項のマネジメント業務は、本契約の有効期間中は乙のみが独占的に行えるものとし、甲は、乙の事前承諾なしに、次のいずれかに該当する行為をしてはならないものとします。 ①マネジメント業務及びこれに類似する業務を一部でも第三者に行わせること。 ②第三者との間で、乙を通さずに本活動又は本キャラクターに関する契約、約束、許諾又は合意等を行うこと及びそれらの交渉等を行うこと。 ③前各号の他、乙を通さずに本活動を行うこと。 第4条(委託及び業務提携) 乙は、必要に応じてマネジメント業務を第三者に委託し、また業務提携を行う等してマネジメント業務に関して第三者の協力を得る場合があります。甲はこれについて予め承諾します。 以下、続く・・・・ |
【収入印紙】
VTuber・YouTuber所属契約書は、その契約の性質が、「VTuber・YouTuber等が自己の活動のマネジメントをプロダクションに依頼し、プロダクションはその裁量及び判断に基づきVTuber・YouTuberに関する案件を獲得してくることに関する契約」というものであれば、事務の委託ということで「委任契約」扱いとなる可能性が高いです。
委任契約である場合は、収入印紙の貼付が不要な文書(非課税文書)となりますので、上記性質のVTuber・YouTuber所属契約については収入印紙の貼付は不要です。
しかし、たとえばある一定の案件量をプロダクションが獲得しなければならない等の案件獲得ノルマがありますと、「請負」の性質があるとみなされ、収入印紙の貼付が必要な契約書となる場合があります。
この場合「継続的取引の基本となる契約書」(印紙税法上の7号文書)と「請負契約書」(印紙税法上の2号文書)の両方に該当することになり、VTuber・YouTuberへの報酬の支払体系に応じて7号文書・2号文書のいずれとなるかが決まります。
尚、収入印紙を貼っていなくても契約の成立には何ら影響を与えませんが、税務調査等によりそのことが知られた場合には、印紙税法違反となり、本来払うべき印紙税額の3倍を支払うことになります。
上記見解は、国税庁に確認し、回答を頂いた内容等に基づくものとなります。
。
【VTuber・YouTuber所属契約書の作成代行】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書の作成 | 50,000円(税別) | 3営業日 | 契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【VTuber・YouTuber所属契約書の修正・チェック】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書等チェック 修正対応 |
1ページにつきおよそ5,000円(税別) | 2営業日程度 |
リーガルチェック対応後の契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【VTuber・YouTuber所属契約書の雛形提供】
料金. | 納期目安. | |
契約書等雛型提供 | 8,000円(税別). | 翌営業日 |
※雛形提供をご希望の方は、お問い合わせフォームを通じて、お問い合わせ内容にご希望の契約書雛形名をご記載の上で当事務所までご連絡願います。
※カスタマイズをご要望される場合は、作業分量に応じて別途費用が掛かります。
※お客様より特にご指定がない場合はWordファイルで提供致します。
(PDF、テキスト、書面等による提供はご要望に応じて対応致します)
<補足>
VTuber・YouTuber所属出演契約書の事案や難易度により料金が増減したり納期にお時間を頂く場合がございます。そのため、ご依頼頂く前に、お客様からヒヤリング等を行った上で御見積書をご提示致します。
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VTuber・YouTuber所属契約書について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
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2011年5月30日、2011年5月31日
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・日経コンピュータ2011年4月28日号
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