ASP(SaaS)サービス、ソフトウェアの利用に関して、利用希望者とサービス提供者が締結する契約書が「ASP(SaaS)サービス利用契約書」です。
ASPは、正式名称を「アプリケーションサービスプロバイダ」と呼び、業務用アプリケーションソフトウェアを、インターネットでサービス提供者のサーバを介して利用する形態を言います。
以前は、クライアントサーバ型・スタンドアロン型であったソフトウェア等もバージョンアップによりASP型として提供するケースも年々増えており、グループウェア、会計ソフト、給与管理ソフト等、様々な用途でのASPサービス提供が現在はございます。
ASP(SaaS)サービス利用契約書の内容及び注意点等は以下のとおりです。
【趣旨・内容】
- ASPサービス提供者のサービス内容と、利用者が遵守すべき事項を契約書に規定する。
- ASPサービス利用者は、契約書の内容を遵守し、支払うべき料金を支払うことでASPサービスを利用できるものとする。
【注意点等】
- ライセンス数、サービス利用開始日、マニュアル等の引き渡し物件等を契約書内で明確にする。
- ASPサービスを利用するLAN環境及びLAN設置場所を明確にし、これらLAN環境、LAN設置場所を変更する場合は、必ずサービス提供者へ連絡させる等する。
- 同時アクセス方式なのか、端末固定方式なのか、そのライセンス利用形態を明確にしておく。
- サービス提供者の保守内容、保守対応時間等を明確にする。
- 複数ソフトウェアの利用となり、そのうち、ASPサービスとスタンドアロンが混ざる場合、それぞれ別々の契約書を用意するか、1枚の契約書内で矛盾が生じないような規定とする等、特に注意が必要。
- ASPサービスはサーバへの負荷があると、他の利用者に損害・迷惑を及ぼす場合があるため、ASPサービスを利用する上での禁止事項を、契約書で可能な限り明確にする。
- ASPサービスをメンテナンスで一時中止できる場合等を明確にする。
- 契約が終了した場合、利用者がそれまで利用した結果、サーバに蓄積されたデータをどのように取り扱うかを明確にする。
以上、ASP(SaaS)サービス利用契約書を締結する上で、注意すべき点の一部となります。
上記にも記載しましたが、ASPとスタンドアロン等、複数の利用形態が混ざるようなソフトウェア利用契約となる場合は特に記載に注意が必要になると考えます。
【ASPサービス(SaaS)利用契約書(利用規約)の当事務所対応実績例の一部】
- SaaS型のマイナンバー管理ソフトウェアの利用規約
- キュレーションサイト構築パッケージの利用規約(サーバ利用規約及びテクニカルサポート利用規約含む)
- ホテル向けパッケージシステム(予約システム含む)の導入及び利用契約書
- SaaS型の小売店舗の商品政策策定ツールの利用規約及び申込書
- インターネット上の情報監視システム(ASPサービス)の利用規約及び申込書
- 不動産業界向けの事務所リース管理システムのASPサービス利用規約
- 事業者教習所向けSaaS利用契約書
・・・etc
○○○○株式会社(以下「甲」という)と、株式会社△△△△(以下「乙」という)は、甲が乙に提供するサービスの利用に関して、次の通り契約(以下「本契約」という)を締結する。 第1条(定義) 本契約において使用される用語について、それぞれ次の各号のとおり定義する。 ①本サービス 本契約により乙に利用許諾される別紙に定めるソフトウェアを、乙がインターネットを通じて利用できるよう甲がアプリケーション・サービス・プロバイダとして提供するサービス ②LAN 私設通信回線を用いて相互に接続された計算機によって構成されるネットワークであり、その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内にあるものをいう。 第2条(目的) 本契約は、甲が乙に対し、乙が本契約を遵守することを条件に本サービスの利用を許諾することを目的とする。 第3条(利用条件等) 1)甲は乙に対して、本サービスを非独占的に利用する権利を許諾する。 2)乙は本サービスを、別紙「利用環境」に定めるLAN利用環境及びLAN設置場所等において本サービスを利用できるものとし、その他、別紙「利用環境」に定めるライセンス数の範囲内で、乙が管理する複数台のコンピュータにて本サービスを利用することができるものとする。 3)乙は、別紙「利用環境」に定めるLAN利用環境及びLAN設置場所等を変更する場合、必ず事前に甲にその旨を通知するものとし、甲は当該通知受領後、遅滞なく必要な対応を甲乙協議の上で実施するものとする。 4)乙は、本サービスの利用にあたり、次の各号に定める行為をしてはならないものとする。 ①本サービスを利用する権利並びに本契約に基づく権利義務を第三者に譲渡、移転、貸与、リース、再配布(不特定多数への頒布および送信含む)または再許諾すること。 ②本サービスにより提供されるソフトウェアの全部または一部に対し、リバースエンジニアリング、逆コンパイル、逆アセンブル、修正、改変または派生ソフトウェアを作成すること。 ③本サービス利用にあたり、甲より乙に対し提供される引き渡し物件(ドキュメント等)を修正、改変、翻訳、翻案すること。 5)乙は、本サービスの利用に際し、本サービスに関するドキュメント等に記載された利用条件、利用方法及び本サービス導入の際に甲より乙に対し行ったレクチャーにおいて甲から教示された事項を遵守する。 第4条(附帯サービス) 1)甲は、本サービスに附帯する次の各号に定めるサービスを乙に対し提供するものとする。 ①本サービス導入支援 ②本サービス保守 ③本サービス無償バージョンアップ 以下、続く・・・・ |
【収入印紙】
ASP(SaaS)サービス利用契約書は、ウェブサービスやソフトウェア等という無体財産権の利用許諾契約になりますので、収入印紙を貼る必要のない契約書(非課税文書)となります。
【ASP(SaaS)サービス利用契約書の作成代行】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書の作成 | 50,000円(税別) | 3営業日 | 契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【ASP(SaaS)サービス利用契約書の修正・チェック】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書等チェック 修正対応 |
1ページにつきおよそ5,000円(税別) | 2営業日程度 |
リーガルチェック対応後の契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【ASP(SaaS)サービス利用契約書の雛形提供】
料金. | 納期目安. | |
契約書等雛型提供 | 8,000円(税別). | 翌営業日 |
※雛形提供をご希望の方は、お問い合わせフォームを通じて、お問い合わせ内容にご希望の契約書雛形名をご記載の上で当事務所までご連絡願います。
※カスタマイズをご要望される場合は、作業分量に応じて別途費用が掛かります。
※お客様より特にご指定がない場合はWordファイルで提供致します。
(PDF、テキスト、書面等による提供はご要望に応じて対応致します)
<補足>
ASP(SaaS)サービス利用契約書の事案や難易度により料金が増減したり納期にお時間を頂く場合がございます。そのため、ご依頼頂く前に、お客様からヒヤリング等を行った上で御見積書をご提示致します。
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ASP(SaaS)サービス利用契約書について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、長年SEとしてシステム開発等に携わった経験及び知識等を活かして主にIT系やコンテンツ系のクライアント様、クリエイター様等から多数の契約書、利用規約等の作成やリーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
【全国対応】
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・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
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他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。