原作使用契約
小説等の原作をもとに漫画や映画、アニメーション化する際に交わされる契約が、「原作使用契約」です。
【契約当事者】
・原作をコンテンツ化する側と、原作出版社(著作権者の場合もあり)での契約
(コンテンツ化する側と、原作出版社、著作権者の三者間契約となる場合もあります。)
原作使用契約書を作成するポイントは以下のとおりです。
【範囲】
- 原作をコンテンツ化する範囲(漫画、映画、アニメーション等)。
- 原作の全ての話がコンテンツ化の対象なのか、それとも原作のある一部分をコンテンツ化するのか等を定める。尚、原作が未完である場合、今後新たに発表する続きの部分は対象になるのか。
【漫画化】
- 漫画化する場合、雑誌に掲載するのか(掲載雑誌はどれか)、雑誌には掲載せずにコミックス化するのか、はたまた電子書籍として出版するのかその範囲を定める。
【内容変更】
- 原作をコンテンツ化するにあたり、題号(タイトル)や内容表現に変更を加える場合、著作者の事前許諾を必要とするか否か。また、これら変更が可能な範囲を定めるか。
【使用料】
- 原作使用料を当然定める。漫画化の場合、雑誌掲載の場合、コミックスとして出版する場合、電子書籍として出版する場合、翻訳出版する場合等、使用態様毎に使用料を定める。
- 使用料の支払時期を定める。4半期毎の支払いとする場合もある。
【二次使用】
- 原作を使用してコンテンツ化したものを二次使用できる範囲及び二次使用にあたり原作出版社、又は著作権者の許諾が必要なのかどうか等を定める。
【重要なポイントのまとめ】
1.二次使用の範囲は非常に重要です。例えば原作を使用してドラマ化するという事案において、ドラマ化のみならずその他のアニメ化や映画化といった二次使用も可能なように契約書が作成される場合があります。必要以上の二次使用を認めてしまうと、原作者側にとって不利益が生じる場合がありますので、この点注意が必要です。
2.独占的な使用かどうかも重要です。例えば原作を使用してドラマ化するという場合に、それが独占的な使用許諾なのか、また独占の場合、いつまで独占期間が存続するのかといった期間も重要です。よって、独占の有無、範囲、期間はきちんと契約書で明確にすべき事項です。
3.二次使用にあたっての原作の改変をどこまで認めるのかも非常に重要です。改変を全くしてはいけないというのではドラマ化・映画化等の二次使用が難しくなりますが、改変をするにしてもどこまで許容されるのか、また事前に原作者のチェック、監修、承諾が必要なのかといった点はきちんと契約書に明記すべきだと思います。
4.原作者へ支払う報酬の金額と支払日は当然きちんと明記すべきです。
上記が、原作使用契約書の作成に関するポイントの一部例となります。尚、契約終了後の原作使用コンテンツの取り扱いを定めることも重要です。
【原作使用契約書の当事務所対応実績例の一部】
- 時代小説のテレビドラマ化
- スポーツ小説の漫画化
- 漫画作品の実写映像化(テレビドラマ及び映画を含む実写映像化権)
- 小説作品の映画化
- 小説作品の舞台化
- 日本の絵本の海外でのアニメーション化
- 成人向け漫画の深夜ドラマ化
- 成人向け漫画の海外向け配信ドラマ化
- 漫画の動画コンテンツ化
・・・etc
株式会社○○(以下、「甲」といいます。)と、○○株式会社(以下、「乙」といいます。)とは、甲が著作者より使用許諾権利を委任されている第2条記載の著作物(以下、「本原作」といいます。)を、乙が漫画作品として出版等することに関して、次のとおり契約(以下、「本契約」といいます。)を締結します。 第1条(定義) 本契約において使用する用語の意味は次のとおりとします。 (1)電子出版 CD-ROM、フロッピー・ディスク等、将来開発され得るその他の有体物を含む記録媒体を使用した出版、もしくは公衆送信における配信をいいます。 第2条(目的物) 題号:(原作タイトルを記載) 著作者:(原作著作者を記載) 出版社:甲 著作物種類:小説 第3条(使用許諾) 1)甲は乙に対し、乙が本契約の有効期間中、本契約に定める諸条件で本原作を使用した漫画作品(以下、「本漫画作品」といいます。)を制作すること及び次の各号のとおり出版することを、独占的に許諾します。 (1)雑誌へ掲載し出版 (2)コミックスに収録し出版 (3)文庫版及びその他判型・装丁の変更等の二次出版 (4)日本語以外の言語での翻訳出版 (5)電子出版 (6)その他、別途個別契約等で甲乙合意した方法による出版 2)乙は、前項の目的のために、日本を含む全世界において、自由にかつ独占的に、本漫画作品を複製・頒布(販売、譲渡、貸与、公衆送信等を含みます。)することができるものとします。 3)乙は、前2項の権利を第三者に許諾することができるものとします。 第4条(素材の引き渡し) 以下、続く・・・・ |
【収入印紙】
原作使用許諾契約などの、無体財産権を使用させる等の契約は印紙税法の課税文書とならないため、契約書に印紙を貼付する必要はございません。
【原作使用契約書の作成代行】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書の作成 | 50,000円(税別) | 3営業日 | 契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【原作使用契約書のチェック・修正】
料金 | 納期目安 | 成果物 | |
契約書等チェック 修正対応 |
1ページにつきおよそ5,000円(税別) | 2営業日程度 |
リーガルチェック対応後の契約書データ |
※納品させて頂く契約書データはお客様が編集可能なWordファイルとなります
【原作使用契約書の雛形提供】
料金 | 納期目安 | |
契約書等雛型提供 | 8,000円(税別). | 翌営業日 |
※雛形提供をご希望の方は、お問い合わせフォームを通じて、お問い合わせ内容にご希望の契約書雛形名をご記載の上で当事務所までご連絡願います。
※カスタマイズをご要望される場合は、作業分量に応じて別途費用が掛かります。
※お客様より特にご指定がない場合はWordファイルで提供致します。
(PDF、テキスト、書面等による提供はご要望に応じて対応致します)
<補足>
原作使用契約の事案や難易度により料金が増減したり納期にお時間を頂く場合がございます。そのため、ご依頼頂く前に、お客様からヒヤリング等を行った上で御見積書をご提示致します。
原作使用契約書ご依頼の流れ(遷移先ページ下部)
二次利用コンテンツの商標登録もお考えの場合はこちら
原作使用契約について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
【全国対応】
・契約書業務(契約書の作成代行、チェック修正、雛形提供)
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【メディア掲載実績】
・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
レベニューシェア契約に関する取材協力等
・2024年9月27日 All About『無料・フリー画像の落とし穴!?自治体や学校でイラストの無断使用による損害賠償が増えている理由』執筆
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。