どんな契約書が必要で
どんな契約書を結べばよいか
【タレント等の所属事務所との契約】
芸能プロダクションに専属的に所属しているタレント、俳優、アーティスト、ミュージシャン、声優、芸人、アイドル等(以下「タレント等」といいます)の肖像をイラスト化等してそれをLINEスタンプとしてLINEクリエイターズマーケットを通じて配信するには、そのタレント等の所属事務所の承諾を得る必要があります。そうしたタレント等の所属事務所の承諾を得るための契約書が、「肖像利用許諾契約書」又は「LINEスタンプ化許諾契約書」となります。どちらも同じ内容の契約書で、タイトルが異なるだけですが、LINEスタンプ化というより具体的なタイトルとしているのが「LINEスタンプ化許諾契約書」ですね。但し、「肖像利用許諾契約書」というタイトルにしている方が割合としては多いように見受けられます。
上記の契約書は、タレント等の肖像等をイラスト化して、それをLINEスタンプとしてLINEクリエイターズマーケットを通じて配信することをタレント等の所属事務所が許諾するということと、そしてそうしたLINEスタンプ化に伴い撮影はあるのか、またタレント等の所属事務所側が参考用写真等を提供する必要があるのかということ、そしてタレント等の所属事務所に支払う許諾料を定めます。この許諾料については、固定金額としていくらというパターンと、LINEスタンプの売上に応じた収益分配というパターンの2パターンありますが、後者の収益分配型の方が多いように見受けられます。より具体的にいうと、LINEスタンプの売上を双方で50%づつ折半しましょう、といった具合です。
後は、タレント等の所属事務所により完成したLINEスタンプのチェックに関する規定や、競合避止義務(別の第三者にタレント等の肖像等のLINEスタンプを作成及び配信等させてはならないといった義務)といったものも重要なポイントになります。
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【イラストレーターとの契約】
上記のように、タレント等の肖像をイラスト化等してそれをLINEスタンプとしてLINEクリエイターズマーケットを通じて配信するには、そのタレント等の所属事務所の許諾を得るための契約が必要になるわけですが、そのほかに、そのタレント等の肖像のイラスト化をイラストレーター等の外部クリエイターに依頼する場合には、そうしたイラストレーター等の外部クリエイターとも契約を交わす必要があります。そうした際の契約書が「LINEスタンプ制作業務委託契約書」又は「イラスト制作業務委託契約書」となります。どちらもタイトルが異なるだけで内容は同じです。LINEスタンプを制作するという要素を契約書タイトルでより明確に表しているのが前者です。
上記の契約書において定めることは、イラストレーターが制作して納品すべき成果物(LINEスタンプを何点制作して納品すればよいか)とその納品期日、あとはイラストレーターに支払う報酬の金額等が重要なポイントになろうかと思います。こちらも報酬の金額は、固定金額としていくらというパターンと、LINEスタンプの売上に応じた収益分配というパターンの2パターンありますが、イラストレーターとの契約については、やや前者の固定金額パターンの方が多いように見受けられます。いわゆる権利買取システムのようなイメージでしょうか。
またイラストレーターとの契約書の取り交わし方としては、他に「業務委託基本契約書」+「個別契約書(具体的な成果物や報酬を定める)」+「機密保持契約書(NDA)」というパターンももちろんありです。この場合の個別契約書は注文書や発注書でもかまわないと考えます。普段から外注する際は「業務委託基本契約書」+「個別契約書(具体的な成果物や報酬を定める)」+「機密保持契約書(NDA)」という形で契約を締結している場合は、このやり方の方がいつもどおりでやりやすいかと思います。
LINEスタンプ制作業務委託契約書の作成や雛形提供についてはこちら
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タレント等の肖像を使用したLINEスタンプを制作する場合の契約書について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
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【メディア掲載実績】
・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
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・2024年9月27日 All About『無料・フリー画像の落とし穴!?自治体や学校でイラストの無断使用による損害賠償が増えている理由』執筆
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。