
どんな契約書が必要で
どんな契約書を結べばよいか
【広告に出演するタレント等の所属する事務所と広告主、広告代理店の三者間で契約をする場合】
芸能プロダクションに専属的に所属しているタレント、俳優、アーティスト、ミュージシャン、声優、芸人、アイドル等(以下「タレント等」といいます)をある企業の広告に出演させたい場合、直接その広告主とタレント等との間で話しを進めるよりは、広告代理店が間に入ってそうした広告出演案件を進めるというケースの方が多いように見受けます。そうした場合は、タレント等の所属事務所と、広告主、そして広告代理店の三者間で、「広告出演契約」を取り交わすケースが多いです。
広告と一口にいっても、テレビ広告(テレビCM等)やグラフィカル広告(販促物やノベルティグッズ等)、はたまた最近でウェブ広告(ウェブサイト掲載や動画配信等)と様々な広告媒体がありますが、いずれの広告媒体を主とする場合であっても、取り交わす契約は、およそ上記のように「広告出演契約」となります。
尚、上記のように広告代理店が間に入るケースであっても、三者間で契約をせずに広告主と広告代理店、広告代理店とタレント等の所属事務所との間でそれぞれ2者間契約の形にする場合もあります。この場合については、次の「二者間契約の場合」において後述します。
さて、話しを三者間契約のパターンに戻しますが、こうした三者間契約において、タレント等の所属事務所に依頼する内容、すなわち対象のタレント等が出演する広告の範囲や撮影の依頼といったことを定めます。やはり、出演する広告の範囲は重要なところかと思います。要は、この広告出演契約において定める契約金で、どこまでその対象タレント等を広告に使用することができるのか、ということは、契約の根幹をなすものであり、ここが定まらないと他も定まってこないところかと思います。
タレント等を、ある企業のイメージモデルとして起用するという場合は「イメージモデル契約書」といった契約タイトルになるように見受けます。但し、イメージモデルとして起用するといっても、上記の広告出演と内容がさほど変わらないものも多いので、そうした広告出演とさほど変わらないイメージモデル契約については、ただ単に契約書のタイトルが異なるだけともいえます。
タレント等の広告出演契約書の作成や雛形提供についてはこちら
【広告に出演するタレント等の所属する事務所と広告主が直接契約をする等の二者間契約の場合】
広告代理店が入らずに、広告に出演するタレント等の所属事務所と広告主が直接契約をするような場合もあります。こういった場合も、「広告出演契約書」を、タレント等の所属事務所と広告主との間で取り交わします。三者間の時と契約内容は共通するところが多いですが、広告代理店が入らないことにより、契約金の支払いが広告主からタレント等の所属事務所に直接支払われるというところが特に異なる点でしょうか(三者間契約の場合は、広告主から広告代理店に契約金が支払われ、そこから広告代理店の報酬を差し引いた上で、タレント等の所属事務所に支払われるというお金の流れになっていることがよく見受けられる)。
また、広告代理店が間に入っているにも関わらず、広告主と広告代理店、広告代理店とタレント等の所属事務所との間でそれぞれ2者間契約の形にする場合があります。こうした契約形態になる理由としては、広告代理店が差し引く報酬額を広告主に知られたくない、という広告代理店側の考えが背景にあることがよく見受けられます。
こうした場合には、まず広告主と広告代理店との間で、広告出演対象のタレント等を広告にキャスティングすることを広告主が広告代理店に依頼するような形の「広告出演依頼契約書」といったものを取り交わします。尚、この契約書タイトルではないタイトルの場合もあり、単に「広告出演契約書」としている場合もありますが、いずれも重要なのは契約内容ですので、正直タイトルはどちらでもよいといえます。この広告主と広告代理店との間での二者間契約の中で、広告主から広告代理店に支払われる契約金の総額が明記されます。
そして広告代理店は広告主から依頼された権限に基づき、広告出演対象のタレント等の広告出演を目的として、タレント等の所属事務所と「広告出演契約書」を二者間で取り交わします。この場合の契約内容は、三者間での「広告出演契約書」とさほど変わりはありません。そしてこの広告代理店とタレント等の所属事務所との間で交わす契約書の中で、広告代理店がタレント等の所属事務所に支払う契約金の金額が明記されます。
尚、広告代理店が差し引く報酬額を広告主に知られたくない、という場合は、通常どおり、広告主と広告代理店、タレント等の所属事務所の三者間で「広告出演契約書」を取り交わしておいて、契約金の金額と支払日だけ、別紙覚書を広告主と広告代理店間、広告代理店とタレント等の所属事務所間でそれぞれ取り交わすという方法もあります。
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タレント等がある企業の広告に出演し、又はイメージモデルとなる場合の契約書について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書(英文契約書含む)作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。

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2011年5月30日、2011年5月31日
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・日経コンピュータ2011年4月28日号
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・2025年1月15日 All About『箱根駅伝に"異変"!?NIKEとadidasの「シューズ特許戦線」』執筆(Yahooニュースにも掲載)
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。