どんな契約書等が必要で
どんな補助金が利用できて
どんな知的財産権登録や許認可が必要か
【必要な契約書】
1.VTuberとの所属契約書
所属するVTuberの中の人(声を出す人等)との間での契約は必要です。特に著作権や知的財産権等の権利の帰属、報酬の分配、経費の負担、秘密保持義務等といったところは必ず契約書に盛り込むべき内容になります。
2.イラストレーターとの契約書
VTuberのキャラクター絵を執筆してもらうためにイラストレーターとの契約書も必要になることが多いです。この場合、著作権等の知的財産権はすべてVTuber事務所に帰属するような内容とする必要があります。
3.動画編集者や音源編集者等との業務委託契約書
配信するVTuber動画を編集して頂く人や音源を編集して頂く人がいる場合は、そうした動画編集者や音源編集者等との業務委託契約が必要になります。この場合も、著作権等の知的財産権はすべてVTuber事務所に帰属するような内容とする必要があります。またどの程度の作業でどのぐらいの報酬になるのかといった報酬体系もきちんと契約書に盛り込む必要があります。
4.各種出演契約書
所属するVTuberが有名になってくると、テレビ出演、広告出演その他メディア出演等が発生することが出てきます。そうした際に必要な契約書は、通常はオファーをする側から提示してくることが多いので、契約書が提示された際に、内容に問題がないかを確認する必要があります。
5.業務提携契約書
他のVTuber事務所、芸能事務所等との間で業務提携契約を結ぶ場合もございます。例えばある配信アプリに特化した事務所と業務提携をする場合や、配信以外のメディア展開に強い芸能事務所と業務提携をする場合等です。
6.雇用契約書
社員等の従業員を雇用する場合は、雇用契約書を締結する必要があります。またその際、できれば秘密保持についての誓約書を取得されるとよいと存じます。
【必要な特許・商標・意匠登録】
1.特許
VTuber事務所で特許出願をするケースはあまりございませんが、VTuberの配信におけるアバター表現に用いられる技術やモーションキャプチャーに関する技術において、特許が存在している場合があります(Live2Dに関する技術等)。
そうした特許技術を利用する場合は、特許権者の許諾が必要ですので、そうした点に注意をする必要はあります。
2.商標
VTuber事務所による知的財産権登録で最も多いのは商標登録です。有名な事務所であるカバー株式会社やANYCOLOR株式会社等は、所属するVTuberの名前のほとんどを、商標登録しています。VTuberの場合、名前がやや変わった名前であることが多いので比較的商標登録されやすいです。
中の人との権利関係でもめないためにも、事務所で早めに商標登録をしておいたほうが良いと言えます。
3.意匠
VTuber事務所で意匠登録をする場面はほとんどないかと存じますが、VTuberが有名になってグッズ化されるような場合において、そのグッズの形状を意匠登録するということが考えられるところかと存じます。
【必要な許認可等】
VTuber事務所を始めるにあたって、特に必要な許認可等はございません。また、何らかの業界団体等に加入する必要もございません。尚、法人ではなく個人で事務所を運営することもできます。
【利用できる補助金】
創業時補助金が利用できる場合がございます。また、商標登録等の知的財産権の登録出願をする際、VTuber事務所の所在地の自治体によっては補助金が利用できる場合もございます(各自治体によって利用できる補助金は異なりますので、詳しくは当事務所にご相談頂ければと存じます)。
その他、小規模事業者持続化補助金も利用できる可能性がございますが、公募時期を逃すと利用できないので、そのあたりも当事務所にご相談頂ければ幸いです。
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VTuber事務所に必要な契約書や、特許・商標・意匠登録出願、利用可能な補助金等について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
【全国対応】
・契約書業務(契約書の作成代行、チェック修正、雛形提供)
・知的財産権登録(商標登録、特許登録、意匠登録)
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【メディア掲載実績】
・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
レベニューシェア契約に関する取材協力等
・2024年9月27日 All About『無料・フリー画像の落とし穴!?自治体や学校でイラストの無断使用による損害賠償が増えている理由』執筆
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。