どんな契約書が必要で
どんな契約書を結べばよいか
【個人デザイナーが企業の専属デザイナーとなる場合】
ある個人デザイナーが、特定の企業の専属的なデザイナーとなる場合に交わす契約は、「専属デザイナー契約」になります。専属的なデザイナーとは、基本的にその企業のためにのみデザイン業務を行うようになることを意味しますので、契約期間中は他の企業からデザイン業務を受けてはならない、という形になります。
こうした専属性は、タレント等が芸能プロダクションに所属する場合と非常に似ておりますが、専属デザイナーの場合は、タレント等の場合よりはやや専属性が弱く、企業の承諾を得た上でいくらか他の企業からもデザイン業務を受けているということも見受けられます。また、報酬形態についても、タレント等の所属契約は基本的には完全歩合が多いですが、専属デザイナーの場合は、月額固定制又は月額固定+歩合といった形であることがよく見受けられます。
尚、専属デザイナーといっても、基本的にはその企業の従業員となるわけではなく、個人事業主のままですので、「雇用契約」や「労働契約」といった契約にはなりません。契約で定める期間、その企業の専属デザイナーになります、という契約になります。
また、専属デザイナー契約を交わしつつ、個別の業務発注については、個別契約をデザイナーと企業間で取り交わすという形もみられますので、専属デザイナー契約の他にこうした「個別契約書面(注文書や発注書等)」も場合によっては必要になります。他に、専属にあたって「NDA(機密保持義務契約)」をデザイナーと企業間で交わすこともありますが、専属デザイナー契約の中に機密保持義務を規定しておけば問題はありませんので、NDAは必須ではないと考えます。
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【デザイナー以外の芸術家が企業の専属的な芸術家となる場合】
事例としてはさほど多くはありませんが、デザイナー以外の芸術家やアーティスト(彫刻家、書道家、陶芸家、画家及び写真家等をいい、以下「芸術家等」といいます)が特定の企業の専属的な芸術家等となる場合があります。こうした場合に取り交わす契約は、個別事例に応じてやや特殊なものが割りと多いのですが、基本的には「専属契約」といった形の契約を芸術家等と企業との間で取り交わすことが見受けられます。
しかし、上記のように特殊な契約もよく見受けられ、例えば芸術家等が制作する作品を一定期間企業が専属的に全て買い受ける、といった形のものも見受けられます。専属デザイナーの場合は、企業がデザイナーに対して専属的にデザイン業務を発注しますが、デザイナー以外の芸術家等の専属契約の場合は、専属契約締結後も芸術家等が企業の指示等を受けずに自発的に創作活動をするような形になっているものもいくつか見受けられます。もちろん、専属デザイナーの場合のように、企業が芸術家等に対して専属的に創作を依頼するというケースもあります。よって、デザイナー以外の芸術家等の場合は、定型的な形があまりないといえます。
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デザイナーその他芸術家がある企業の専属的なデザイナー・芸術家となる場合の契約書について、ご相談等がございましたら、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
藤枝知財法務事務所
代表:藤枝秀幸(弁理士・行政書士)
2009年に当事務所を設立し、著作権等の知的財産権の専門家として、主にIT系、エンタメ・芸能・コンテンツ系のクライアント様やクリエイター様等から多数の契約書(英文契約書含む)作成・リーガルチェック業務のご依頼を頂いております。
また、補助金を活用した特許・商標・意匠登録対応も得意としており、契約×知財×補助金の広い視点でお客様をサポートさせて頂いております(2024年時点で事務所設立15年)。
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・日本経済新聞 電子版
2011年5月30日、2011年5月31日
「開発費不要をうたうIT企業の思惑」「新事業モデル支える二つの契約形態」取材協力等
・日経コンピュータ2011年4月28日号
レベニューシェア契約に関する取材協力等
・2025年1月15日 All About『箱根駅伝に"異変"!?NIKEとadidasの「シューズ特許戦線」』執筆(Yahooニュースにも掲載)
他、週刊ポスト、FRIDAY、クローズアップ現代(NHK)等様々な媒体で契約書や知的財産権に関して取材協力をさせて頂いております(詳細はこちら)。